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口臭予防に本当に効果のある洗口液でのマウスケア

青い洗口液の入ったガラスのコップに口を当てている女性の写真

2018年12月21日

0.1%塩化亜鉛洗口液で、30分後に口臭の原因物質VSCがほぼなくなり、90分後でも9割近く抑制されているというデータがあります。

市販の洗口液で「塩化亜鉛」が含まれているものを調べてみました。

塩化亜鉛が効く

「 塩化亜鉛洗口液」「塩化亜鉛を含まない市販の洗口液」「水」の3つを使ってうがいをした後と洗口前の「揮発性硫黄化合物(VSC)」の量をガスクロマトグラフィーという測定器を使って比較検討した文献*1があります。

  • 市販洗口液のVSC抑制効果は3時間30分でほぼ消失
  • 水での洗口後は2時間後にVSC抑制効果がほぼ消失
  • 塩化亜鉛洗口液では、3時間30分後でもVSCの量が先行前の12.5%に減少したままだった

 塩化亜鉛は、唾液のタンパク質分解酵素の働きを妨害して、VSCを作る原料となるタンパク質を増やさないことで口臭抑制効果を発揮することがわかりました。

一時的に細菌を減らす消毒・殺菌とは違い、口臭の発生を元から断つのが塩化亜鉛の働きです。 

また別の論文*2では、0.1%塩化亜鉛洗口液が30秒間の洗口直後ではVSCがほぼゼロに減少し、90分後もVSCの抑制効果が持続していることを確認しています。

亜鉛イオンがVSCと結合して「非揮発性」に変化することで、呼気を消臭するメカニズムがわかりました。

塩化亜鉛は洗口液の他に、医薬品の安定剤として注射薬へ添加されており、「亜鉛」は生体に必須で重要な元素です。

過剰摂取に注意すれば、安全なものです。

脱臭剤、アストリンゼント(収れん化粧水)や耳鼻咽喉科、歯科の根管治療で止血剤にも使われています。

参考文献:*1塩化亜鉛洗口剤の口臭産生および唾液細胞成分ならびにタンパク質の分解に及ぼす影響

     *20.1%塩化亜 鉛洗 口 剤の 口臭抑制効果(口腔衛生会誌)

参考サイト:口臭 - 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020

塩化亜鉛が成分として配合されている洗口剤は?

 さて、この「塩化亜鉛」が配合されている洗口剤は、はたして日本で市販されているのでしょうか。 

JDMA日本歯磨工業会の会員13社の主要成分を調べてみました。

その中で「塩化亜鉛」の表示があった製品は、たったの1社だけでした。

薬用リステリン 

<会社: ジョンソン&ジョンソン>

洗口液:薬用リステリン ターターコントロール➡歯みがき後に使用

 ■適量(約20ml原液)を約30秒口に含んでから吐き出す

液体歯みがき:トータルケア、トータルケアゼロ➡歯みがき前に使用

 ■適量(約20ml原液)を約30秒口に含んで吐き出しペースト無しで歯を磨く

<成分>

殺菌剤:1.8シオネール、チモール、塩化亜鉛(ジンククロライド)

消炎鎮痛剤:サリチル酸メチル

香料・消炎剤:e-メントール

エタノール

その他添加物、着色料

<特徴>

口臭予防、歯石の沈着予防、歯肉炎の予防

薬用リステリン®3つの特徴 | 口臭、歯肉炎の予防には薬用リステリン®

 

[医薬部外品] 薬用 LISTERINE(リステリン) マウスウォッシュ トータルケア 1000mL + おまけつき

 

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消毒薬ではダメなの?

人の体は、たくさんの細菌と共存しています。

お口の中にも、さまざまな菌がウヨウヨしています。

善玉菌と悪玉菌のバランスが取れている場合は、口臭も少なく健康な口腔環境が維持されます。

消毒薬は、悪玉菌だけでなく善玉菌もやっつけてしまいます。

すると、口の中の菌のバランスが崩れます。

それが「菌交代症」という不健康な状態です。

そうなると、かえって口臭を悪化させることになるので、消毒薬の乱用は禁物です。

明らかな感染症の治療以外は、日常的に消毒薬でうがいするのは、注意が必要です。

特に、舌苔が真菌症の場合は、専用の抗真菌薬でうがいをして治療しなければ治りません。

その場合は、歯科口腔外科や耳鼻咽喉科などを受診しましょう。

 効果的なうがいの方法

 用法容量と回数を守って適切なタイミングに使用すると、最大限に効果を発揮することができます。

たくさんうがいすればいいという訳ではないので、使い方には十分注意しましょう。

タオルのターバンを巻いてコップの水を口に入れている女性の写真

原液と希釈するタイプ

 容器に入っている原液をそのまま使うタイプと、決められた割合に希釈して使うタイプがあります。

お使いになる前に、よく確認してください。

1日1回のうがい

 1日1回、朝または就寝前に使用する製品があります。

1日2回のうがい

 1日2回朝晩の使用を推奨している製品があります。

歯みがきごとのうがい

 歯みがきに合わせて3~4回使用してもよいものがあります。

 歯みがきの前か後か

 一口に洗口液といっても、歯みがき後に「リンスする洗口液」と、歯みがきペーストの代わりにうがいしてからブラッシングする「液体歯みがき」とがあります。

ご使用の製品が、どちらのタイプなのかを確認して正しく使いましょう。

医薬部外品と化粧品の違いは?

「医薬品」は薬事法で製造・取り扱いについて厳しく規制されています。

それは、効果が高く人体への影響が大きいためです。

必ず医師または歯科医師の処方銭と薬剤師の調剤が必要です。

その中に、処方箋が不要で薬剤師がいる薬局などで購入できるようになったものを「OCT医薬品」といいます。

風邪薬や胃腸薬、鎮痛剤などです。

「医薬部外品」はそこまで管理が厳しくなく、有効成分の量が少ないなど作用がマイルドで 、処方箋がなくても自由に購入できるものです。

薬剤師がいなくても買えるようになっています。

育毛剤、入浴剤、薬用化粧品、殺虫剤などがあります。

「化粧品」は、医薬部外品よりも更に効果が穏やかで、治療を目的とせずに健やかな生活が重視されるものです。

健康食品やサプリメントは、「食品」に含まれています。

「洗口液」には、「医薬部外品」と「化粧品」があります。

目的に応じた効果が高いのは、化粧品よりも医薬部外品になります。

化粧品は健やかな生活で気分をよくする程度ですが、日常生活の不快感をより軽減するのが医薬部外品になります。

【医薬品・医薬部外品・化粧品・食品の区別】

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出典:薬のやさしい基礎知識 | タケダ健康サイト

まとめ

 高い口臭予防効果が注目されている「塩化亜鉛」が含まれる洗口液は、使用後のVSCの測定でその効果が実証されています。

「塩化亜鉛」は歯垢や舌苔の細菌の増殖を抑え、揮発性硫黄化合物:VSCの「揮発性」をなくす速効性の作用があり、その効果が持続することが大きな特徴です。

口臭が気になる方は、実際の口臭の程度にかかわらず「塩化亜鉛」入りの洗口剤を使用することで、口臭をなくし予防することができます。

おまけ:その他の有効成分

クロルヘキシジン

口臭抑制効果には、高濃度のクロルヘキシジンとエッセンシャルオイル+エタノール含有洗口剤の報告があります。

これには速効性に関する報告はなく、日本では有効濃度が0.2%に規制されており粘膜には使用できない(口の中には使えない)ことになっています。

副作用に、歯の着色、味覚異常、舌先の灼熱間などがあります。

25%以上のエタノールが含まれており、その副作用も問題となっています。

0.05%クロルヘキシジンが含有されている場合は、抗菌効果ではなく防腐作用による安定性を維持する目的で使われており、口臭抑制効果はないでしょう。

過酸化水素

洗口液ではないのですが、過酸化水素の強力な口臭抑制効果も報告されています。

しかし、活性酸素によるDNA損傷などの可能性や発がん性も否定できないため、安易に使うのは危険です。

3%水溶液は、消毒薬のオキシドールとして市販されています。

オキシドールをうがいに使用する場合は、10倍に希釈しなければなりませんがおすすめしません。

あなたの口臭は大丈夫? 簡単なセルフチェックで調べてみましょう。 - お口の悩み解決!➡実際にオキシドールでうがいしてみた結果を書いています。

注目のフッ化第一スズ

 近年注目されている口臭抑制効果の高い成分が「フッ化第一スズ」です。

これは洗口液ではなく歯みがきペーストの製品に活用されています。

詳しくは、別の記事でご紹介します。