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あなたを悩ます口臭の原因と対策を看護師がわかりやすく説明します。

口臭の原因:90%以上が口の中の原因でニオイが発生【看護師がくわしく説明】

女性が舌を出している写真に口臭の原因は90%以上が口の中にあり半数以上が舌苔と書かれている

2018年12月14日

なんと80%以上の人が、あなたと同じように口臭を気にしているのです。

気になる口臭の原因は、ほとんどが口の中にありました。

原因別に効果的なアプローチをしなければ、口臭はなくなりません。

まずは、やっかいな口臭の原因をくわしくみていきましょう。

口臭の種類

 口臭には原因別に大きく分けて、次のような5つの種類があります。

1.生理的口臭

 「生理的口臭」とは、人間なら誰でも生活の中で臭いが一時的に強まる口臭です。

常時口臭があるわけでなないので、特に治療の必要はありません。

あなた自身が気にならない口臭です。

また、一度気にすると「いつも口臭があるのではないか?」と常に過敏になってしまうこともあります。

①起床直後

 夜寝ている間は唾液の分泌が減っています。

口の中の細菌が増殖しており、口の中がネバついていたり口臭が強くなっています。

朝起きて、歯みがきをしたり食事をすることで自然に消える口臭です。

②空腹時

 長時間飲食をしていないと、唾液の分泌も少なくなり口の中の細菌が増殖しています。

昼食前、夕食前に口臭が強まる傾向があります。

また、飢餓状態にあると、肝臓がエネルギーを補給しようとしてケトン体という物質を作ります。

ケトン体が増えすぎると、甘酸っぱい臭いのガス(アセトン)が肺から呼気に混ざるため、口臭がアセトン臭になります。

③緊張時

 緊張している時は、唾液の分泌が止まって口の中がカラカラになりますね。

そのような時も、細菌が増殖してニオイます。

④ホルモンバランスが影響する時

妊娠中や生理の時になどのホルモンバランスの変化で、普段よりも口臭が強くなりやすい傾向があります。

⑤成長期に応じた口臭

乳幼児期、学童期、思春期、成人期、老齢期に、それぞれの年代特有のニオイがあります。

また、民族的な口臭もあります。

2.飲食物による一時的な口臭

 ニンニク、玉ねぎ、酒、タバコなどの飲食による一時的な口臭です。

3.病的口臭

 口臭の90%以上は、口の中に原因があります。

その中の60%が舌苔(ぜったい)による口臭です。

その他は、歯周病、むし歯、歯垢、歯石などです。

口の中以外の病気は、鼻やのどの病気、呼吸器系の病気、消化器系の病気、糖尿病、肝臓や腎臓の病気などが原因で口臭が起こることがあります。

4.ストレスによる口臭

 ストレスのある状態では唾液の分泌が少なくなるので、口臭が強くなります。 

5.心理的口臭

 生理的・病的な口臭がないのに「自分の口がクサイ」と強く思い込んでしまう心理状態になることがあります。

本人が口臭を気にし過ぎて人と会話できないなど、社会生活に支障がある場合をいいます。

強い不安やストレスなど、心の病気が隠れていることもあります。

口臭3つの悪臭ガス

次の「1」と「2」が口臭の成分の90%を占めています。

口の中の嫌気性細菌が、唾液、口腔粘膜の垢、食べかすに含まれているタンパク質(アミノ酸)を分解・腐敗することで、これらの臭いを作り出します。

メチルメルカプタン:ドブくさい・魚や玉ねぎが腐ったような臭い

 いわゆる「ドブ臭い」臭いです。魚や玉ねぎが腐ったような臭いです。

歯周病で強くなります。

器械で口臭を測定する時の指標になる臭いです。

硫化水素(りゅうかすいそ):卵が腐ったような臭い

 卵が腐ったような硫黄のような臭いで、舌苔で強くなるニオイです。

口の中の細菌が食べかすなどを分解・発酵させて発生する口臭です。

ジメチルサルファイド:生ゴミ・キャベツの腐ったような臭い

 キャベツが腐ったような、生ゴミのようなニオイです。

内臓の病気で強くなります。 

 口臭の原因:第1位は舌苔(ぜったい)

口臭の原因の90%以上が口の中にあり、その60%が舌苔です。 

舌苔は、温度、湿度、エサが完璧に揃った細菌の温床です。

舌の表面には、細かな舌乳頭がたくさんあります。その表面や隙間に細菌が棲みついて、食べかすなどを分解しているのです。

舌の表面に、白~薄い黄色の苔(こけ)が付着しており、歯ブラシなどでこすっても、簡単にはとれません。

この白い苔のようなものが、細菌のかたまりです。

口臭の原因である舌苔、口腔内の病気、その他の円グラフ

口臭の原因:その他の口の中の原因

舌苔に次いで多い原因は、歯周病です。

歯に付いた歯垢が石灰化すると歯石になります。

口腔ケアの不足で、歯周病はどんどん進行します。 

歯周病

歯ぐきからの出血があれば、かなり歯周病が進行しています。

自覚症状がないままに、静かに確実に悪化する病気です。 

自分の口がクサイと感じたら、まずは歯科を受診しましょう。 

歯垢(プラーク)

 歯の表面にこびりついている乳白色のやわらかい汚れです。

爪でこすると削り取れます。

歯垢は細菌のかたまりで、放置すると石灰化して歯石になります。

歯石

 細菌のかたまりが固い石のようになって頑固にこびりついた状態です。

歯ブラシでは、取り除けません。歯科を受診してクリーニングしてもらう必要があります。

歯石ができると、歯周病が急速に悪化します。 

虫歯

小さなむし歯のうちは、口臭もさほどひどくはありません。

虫歯が進行するにつれて、口臭が強くなっていきます。

神経が死んでしまうような進行した虫歯は、強烈なニオイがします。 

唾液が少ない

 唾液は、口の中で重要な役割を果たしています。

消化作用だけでなく、口の中を洗い流す働き、細菌の増殖を抑える働き、口の中の粘膜を保護する働きがあります。

唾液が減ると口の中が乾燥し、細菌の増殖が活発になって、口臭が強くなります。

プラスチックの人工歯

 入れ歯などのプラスチックの部分は、色や臭いを吸着して口臭の元になります。

一度付着した臭いは、なかなか取ることができません。

毎日の定期なお手入れで、汚れや臭いの付着を予防しましょう。

冠の不具合や腐食

 歯にかぶせた金属の冠が古くなって腐食するとニオイます。

歯ぐきが痩せて冠と歯の境目が露出すると、段差や隙間に細菌が増殖して虫歯ができやすくなります。

口腔がん

 舌、歯ぐき、粘膜などに悪性腫瘍ができると、独特のニオイを発することがあります。

口臭の原因:全身的な病気による原因

口の中以外の全身的な病気が原因で生じる口臭があります。

口臭全体の10%に満たない頻度ですが、口腔ケアや歯科治療で改善しない口臭の場合は、病院で相談した方がよいでしょう。 

鼻の病気

慢性鼻炎、副鼻腔炎

喉の病気

扁桃腺炎、咽頭炎、喉頭炎

呼吸器の病気

 肺がん

消化器の病気

逆流性食道炎、悪性腫瘍

糖尿病、代謝性疾患

糖尿病でアセトン臭

シェーグレン症候群

 自己免疫疾患で、膠原病に合併する二次性シェーグレン症候群と、原発性シェーグレン症候群とがあります。

主な症状は、ドライアイ(目の乾燥)とドライマウス(口の乾燥)。

全身性の臓器疾患を伴うことや、悪性リンパ腫、原発性マクログロブリン血症を発症することもあります。

トリメチルアミン尿症

食べ物を消化したときに発生するトリメチルアミンを分解できない病気。

汗や尿、呼気にトリメチルアミンが排出されるので、全身から魚の腐ったようなニオイがする。

口腔乾燥症

鉄の欠乏、ビタミンB12の欠乏があると、唾液の分泌が少なくなり、口の中が常に乾燥している状態になります。

ドライマウスともいいます。

肝臓病

肝機能の低下でアミン臭

肝硬変、肝臓がん

腎臓病

腎機能低下でアンモニア臭

ストレス

 ストレスは交感神経を刺激して唾液の分泌を抑制します。

口の中が常に乾燥した状態になります。

薬の影響

 抗不安薬、抗うつ薬、降圧薬の副作用で、唾液の分泌が少なくなります。

利尿剤も全身の水分が排出されるので、唾液の量も減ります。

抗パーキンソン剤も、唾液が少なくなります。

 口呼吸

常に口を開けて呼吸していると、せっかく分泌した唾液もすぐに乾いてしまいます。

唾液の分泌そのものも減少するので、細菌が増殖しやすい環境が続いています。

まとめ

 口臭が気になって病院を受診した人の中で、1/3は治療の必要のない状態でした。

口臭を自覚していても、実際には何も問題ないことが多いのです。

口臭のある人のほとんどは舌苔や歯周病が原因で、歯みがきや口腔ケアを適切に行うと改善できるものです。

全身疾患が原因の口臭は、約1%にしか過ぎません。

口臭は「口あるいは鼻を通って出る気体のうち、社会的容認度を超える悪臭」と定義されています。

人のからだが発するガスのうち、臭いの種類(質)と強さの度合いが問題になります。

 生理的口臭や飲食物による一時的な口臭は、「口臭」には含めません。

そういう場合は、エチケットとしての口腔ケアや対策があればよいでしょう。

そうではない病的な口臭は、一時しのぎや臭いをごまかしてもなくならないので、病院・歯科医院で適切な治療と指導を受けなければ解消されないのです。 

口臭の予防と改善のポイントは、正しい口腔ケアと唾液の分泌をよくすることです。

参考サイト

口臭がひどい|口腔外科相談室|日本口腔外科学会

日本歯科医師会 「10代~70代の男女1万人に聞く、お口の臭い調査」

口臭の原因・実態 | e-ヘルスネット 情報提供 厚生労働省

研究開発 | 【公式】グリコ

難病情報センター | シェーグレン症候群(指定難病53)